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  • Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察5

    2.2.2 ILの統語規則

     ILのそれぞれのタイプの基本記号から構成された有意表現を生成する統語規則とは、次のように規定されている。

    S1 それぞれのタイプτに対して抵抗は無限に存在する。
     C0τ, C1τ, C2τ,・・・∈Katτ

    S2 それぞれのタイプτに対して変更は無限に存在する。
     V0τ, V1τ, V2τ,・・・∈Katτ
     S1とS2は、定項、変項の導入規則、Katは、Hauptkategorie。

    S3 挿入規則
     σ0(x,y)=df「x(y)」 Katτ1τ2Katτ1→Katτ2

    S4 等値規則
     σ1(x,y)= df「(x=y)」 Katτ, Katτ

    S5 論理記号に関する規則
     σ2(x)=df「(~x)」 Kat t→Kat t
     σ3(x, y)=df「(x ⋀ y)」
     σ4(x, y)=df「(x ⋁ y)」
     σ5(x, y)=df「x → y)」
     σ6(x, y)=df「x y)」 以上Kat t, Kat t→Kat t

    S6 普遍、存在限量子に関する規則
     σ7(x, y)=df「∀x(y)」
     σ8(x, y)=df「∃x(y)」 以上Varτ, Kat t→Kat t

    S7 λ演算子に関する規則
     σ9(x, y)=df「λx(y)」 Varτ1, Katτ2→Katτ1τ2

    S8 内包、外延の演算子に関する規則
     σ10(x, y)=df「in(x)」 Katτ→Kat sτ
     σ11(x, y)=df「ex(x)」 Kat sτ→Katτ

    S9 様相、時制演算子に関する規則
     σ12(x, y)=df「□(x)」
     σ13(x, y)=df「Fut(x)」
     σ14(x, y)=df「Perf(x)」 以上 Kat t→Kat t

     これらのILにおける統語規則には、それぞれに対応する形で意味規則が設けられている。ILにおける意味論とは、複合表現をこのような意味規則により解釈し、最終的にモデル理論に基づく指示対象(外延:Des = REF x 意味規則)に対応づける操作を施す。

    花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

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    2.2 内包論理(IL)

     モンタギューのILの基本的な特性は、高階の対象を扱うためにタイプ理論を導入し、これを様相論理と掛け合わせたものといえる。様相論理は、命題論理や述語論理に比べて、自然言語の表現に対する適用範囲が多少広げられた論理系で、必然性、可能性という話法の導入が見られる。

    2.2.1 タイプと基本表現
     
     範疇とタイプの対応は、次のように規定される関数fによる。

    1 f(e)=e
    2 f(t)=t
    3 f(e)t)=s]e]]t

     1は、e範疇がeタイプ(個体)に、2は、t範疇がtタイプ(真理値)に適応し、3は、「s(指標、可能世界wと時点zの対)からeへの関数の集合」から真理値への関数を表す。ILの基本表現とは、これらのタイプを含む定項と変項から構成されている。それぞれVar n,τ、Con n,τと記号化され、ILのτタイプのn番目の変項、定項を表している。

    花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

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    2.1    ドイツ語の範疇及び基本表現

     範疇とはAjdukiewiczの範疇文法が基礎になっている。Lewis(1972)に基づき簡単に記すならば、範疇文法とは、以下のような文脈自由の句構造文法である。基本カテゴリー(S、N、C、・・・)の組み合わせにより複合カテゴリーが定義される。(C/C1・・・)。これらが品詞に対応する。そして、複合カテゴリーは、同時に構文的な結合関係も表し、それぞれが語彙目録を携えているのである。これらの手掛かりとして Löbner(1976)にある範疇や基本表現を見てみよう。

    範疇の定義 範疇 通常の表現 基本表現
    t Satz 文 -
    e]t Substanz 普通名詞 Mensch, Student, Vegetarier, Zwerg
    e]t]]e]t]]t Art 冠詞類 Jeder,ein,kein,der
    e]t]]t N 固有名詞、代名詞 Heinrich,Stefanie,er0,er1
    e]t V 自動詞 frieren,husten,lächeln,seufzen
    e]t]]e]t Adv 述語修飾の副詞 sehr,gerade
    e]t]]t]]]e]t TrVn 他動詞 finden,sehen,suchen,beobachten
    t]e]t TrVsatz 補文を取る他動詞 sagen,verrate,behaupten
    t]e]t TrVv Zu不定詞の他動詞 beginnen,wagen,versuchen,pflegen
    e]t]]t]]]e]r]]e]t]] Präp 前置詞 trotz,wegen
    t]t AdSatz 文修飾の副詞 notwendig,wahrscheinlich,sicher

     範疇の定義におけるeは固体、tは文の範疇である。PTQに比して、範疇Artが設けられている。この措置は、範疇Artの複合表現(ein jeder)がドイツ語にみられることを考えれば妥当なものといえよう。

    花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

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    2 モンタギュー文法のドイツ語への適応

     UGは、文法体系を代数的に規定する総合的な理論であり、PTQは、UGの枠組みを英語の断片を用いて具体的に展開させている。Löbner(1976)では、数学上の基礎概念(集合論、関数式等)をUGに従って説明し、PTQに準じた形で、ドイツ語の統語論、内包論理、双方を関連付けるために翻訳規則が規定されている。図式化すると次のようになる。

    統語論 範疇 範疇文法による規定(f)タイプ ILの表現の範疇の規定 統語論
    統語論 基本表現 ドイツ語の断片に対する語彙目録(翻訳規則)基本表現 それぞれのタイプの定項と変項
    統語論 統語規則 ドイツ語の断片を生成(翻訳規則)統語規則 ILの有意表現形成 Des:REF+意味規則 意味規則 意味論

     以下、ドイツ語の範疇及び基本表現、内包論理(IL)、ドイツ語の統語規則及び翻訳規則の順に説明していく。

    花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

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    1 はじめに

     数学的で厳密な理論的枠組みに基づき、人工言語も含めた言語の統語論と意味論を規則化したモンタギューの文法理論が自然言語の文に見る曖昧性をどの程度定義できるのか考察していく。即ち、これまでにモンタギュー文法の視点から、de-re/de-dito読み、文修飾の副詞、時制、限量子等の曖昧性に関しては指摘があるも、本稿のテーマの一つである様相因子の動きにより生じる曖昧性については指摘がない。“Das Mädchen fängt an zu weinen.”は、様相因子が主語内的ならば、意図的な読みに、主語外的ならば、あるプロセスの始まりになろう。 
     筆者自身の研究の流れを考えた場合、卒業論文で題材としたヴァイスゲルバーの母国語の世界像よりもさらに深層にある論理的な側面を追求するため、モンタギューによる形式意味論を考察していく。確かにモンタギューを契機とした今日の形式意味論は、当初のものとはかなり形を変えており(例えば、状況意味論)、例えば、可能世界という概念に対する多方面からの批判を踏まえ理論も修正されている。
     しかし、現在においてもモンタギュー自身の文法理論に対する批判があることを考えれば、今一度考察の対象にする価値はある。ましてや批判の中には誤解から生じたものも見受けられる。例えば、Martin(1975)には、モンタギューの文法理論は、自然言語とメタ言語の区別も深層と表層の区別もなされていないと記述がある。しかし、双方の言語間の違いは既成の事実であり、このことと方法論上一般的な視点から双方の言語の規定を目指したモンタギューの試みが別の問題であることや論理学の考察が概して深層にある一方、PTQでは、その対象が比較的表層にあることを見落としている。
     そこで、第一章では、Löbner(1976)に従って、Montague(1974a、1974b)の理論的枠組みを概略しつつ、そのドイツ語への適用を示すことにする。第二章は、実際に対象とする言語現象の説明である。即ち、zu不定詞句を下位構造とする様相動詞のうち、anfangen、beginnen、aufhörenには統語論上、意味論上の特性があることを示唆し、様相因子の問題を取り上げる。第三章は、上記三つの動詞からなる文章をモンタギューの文法理論にあてはめることにより、様相因子の動きによる曖昧性が規定されるかどうか検討していく。
     但し、この小論では、対象とする自然言語がドイツ語ゆえに参考書としてLöbner(1976)を選択した。しかし、他にも優れた手引きがあるため、以下に列挙する。坂井(1979)、内田(1979)、長尾・淵(1983)、白井(1985)、Thomason(1974)、Benett(1976)、Cooper(1976)、Partee(1975、1976)。
     なお、この論文は、1987年1月、立教大学大学院文学研究科博士前期課程ドイツ文学専攻修了時に提出した修士論文を修正加したものである。

    花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

  • イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ25

    参考文献

    *Ajdukiewicz, Kazimierz:Syntactic Connexion. In S. McCall(ed.), Polish Logic 1920-1939. Oxford. Oxford University Press. Pp. 207-231.1967.
    *Casaudio, Claudia: Semantic Categories and the Development of Categorial Grammar. In R.T. Oehrle, E, Bach and D. Wheeler(eds.), Categorial Grammars and Natural Language Structures. Dordrecht. Reidel. Pp. 95-123.1988.
    *Chomsky, Noam: Lectures on Government and Binding. Dordrecht. Foris. 1981.
    *Dowty, David:; Grammatical Relations and Montague Grammar. In P.Jacobson and G.K.Pullum(eds.). The Nature of Syntactic Representation. Dprdrecht. Reidel. p.79-130.1982.
    *Dowty, David, Robert Wall and Stanley Peters: Introduction to Montague Semantics. Dordrecht. Reidel.1981.
    *Erbach, Gregor and Brigitte Krenn: Idioms and Support-Verb Constructions in HPSG, Computational Linguistics at the University of Saarland, Report No. 28, 1993.
    *Fillmore, Charles: The case for case. Universals in linguistic Theory, 1-88, Rinehart and Winston. 1968.
    *Fleischer, Wolfgang: Phraseologie der deutschen Gegenwartssprache. Leipzig. Bibliographisches Institut. 1982.
    *Friedrich, Wolf: Moderne deutsche Idiomatik. Munchen.Hueber.1976.
    *Gazdar, Gerald, Ewan Klein, Geoffrey Pullum and Ivan Sag: Generalized Ohrase Structure Grammar. Cambridge. Harvard University Press. 1985.
    *Gebauer, Haiko: Montague Grammatik. Tubingen. Niemeyer. 1978.
    *花村嘉英 Anfangen, beginnen, aufhörenにおける様相因子の動 きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式 意味論からの考察, 立教大学大学院文学研究科博士前期課 程ドイツ文学専攻修士論文, 1987.
    *花村嘉英 Montague GrammarからGPSGへーイディオムの 構成性をめぐるモデル理論の修正, 立教大学ドイツ文学科論集 アスペクト25, 75-90, 1991.
    *Hanamura, Yoshihisa: Die Textanalyse von HPSG – zur Ironie im Zauberberg Thomas Manns. Abgegebene Hausarbeit zur Neuphilologischen Fakultät der Eberhard-Karls-Universität zu Tübingen. 1995.
    *花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ 推論といえるのか? 新風舎. 2005.
    *花村嘉英 計算文学入門(改訂版)-シナジーのメタファーの原点を探る ブイツーソリューション. 2022.
    *池谷 彰 モンタギュー文法.英語青年6. P.8-10. 1982.
    *池谷 彰 MGからGPSG,HG、HPSGへ. 論理文法研究会. 上智大学.1988.
    *井口省吾, 山科正明, 白井賢一郎, 角道正佳, 西田豊明, 風斗 博之 モンタギュー意味論入門, 三修社, 1987(Dowty, Wall and Peters (1981)からの翻訳).
    *Kamp, Hans: A Theory or Truth and Semantic Representation, In J. Groenendijk, T. Janssen, and M. Stockhof (eds.) Truth, Interpretation and Information, Foris, 1-41, 1981.
    *Klein, Ewan and Ivan Sag: Typ-driven Translation. In Linguistics and Philosophy 8. p.163-201. 1985.
    *Montague, Richard: The Proper Treatment od Quantification in Ordinary English. In R. Thomason(ed.), Formal Philosophy. New Haven. Yale University Press. P.247-270. 1974.
    *Nauman, Sven: Generalized Phrasenstrukturgrammatik: Parsingstrategien, Regelorganisation und Unifikation. Tubingen. Niemeyer. 1988.
    *Pollard, Carl and Ivan Sag: Head-Driven Phrase Structure grammar, University of Chicago Press, 1994
    *論理文法研究会編 様相論理学.上智大学.1989.
    * Russel, Graham: A GPS-Grammar for German Word Order. In U. Klenk (ed.), Kontectfreie Syntaxen und verwandte Systeme. Tubingen. Niemeyer. p.19-32. 1985.
    *白井賢一郎 形式意味論入門. 産業図書.1985.
    *Stucky, Suan: Verb Phrase Constituency and Linear Order in Makua. In G. Gazdar, E, Klein and G. Pullum(eds.). Order, Concord and Constituency. Dordrecht Foris. P.75-94. 1983.
    *Thomason, Richmond: A Semantics Theory of Sortal Oncorrectness. In Journal of Philosophical Logic 1. P.209-258. 1972.
    *Uszkoreit, Hans: Constraints on Order. In Linguistics 24. O.883-906. 1986.
    * Uszkoreit, Hans:Word Order and Constituent Structure in German. CSLI Lexture Notes 8. 1987.
    *Waldo, James: A PTQ Semantics for Sortal Incorrectness. In S. Davis and M. Mithun(eds.). Linguisitics, Philosophy and Montague Grammar. Austin. University of Texas Press. P. 311-331. 1979.

    花村(2022)「イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より

  • イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ24

    9頁
    *Montague (1974 ). S. 257。
    *Thomason (1972). S. 219。

    10頁
    *ibid. S. 242。
    *ibid. S. 221。
    *ibid. S. 224。 

    12頁
    *例えば、GPSGは、イディオムの一部に部分的な解釈を割り 当てる例として(36)のような形容詞による修飾だけではなく、 以下のような量化による修飾の例も記述している。 Pull a string or two.(操る) Take as much advantage of the situation as you can.(状況を利用する) advantage のようなイディオムの要素と数量詞を併記すると、 イディオムの連鎖にある解釈が割り当てられる。つまり、こうした名詞は、量化による意味の拡張が可能ということになる (Gazdar et al 1985)

    *論理文法の歴史を考えると、構成性は、次第に立場が弱くなっていく。これは、対象となる言語表現が、単文から複合文を 経てテキストヘと拡がることにより、統語形式と実際の意味の 間に中間レベルを設定することがより適切な意味の計算を可能 にすると、多くの意味論者が主張するようになったためである (例えば、花村(2022)の88頁の注釈、解説9および解説19を参照すること)

    15頁
    *コロケーションは、語彙項目のシンタグマ関係、または、連鎖 関係を説明するものであり、個々の項目がテキストの中で交わる語彙項目の仲間のことをいう。例えば、deskは、 hothouseやrainよりもwriteやbigといった項目の方がはるかに生じやすい といえる(安井 1982)。

    16頁
    *Subject Extraction Lexical Rule(主語抽出語彙規則、以下の(c)) により、主語でないS補部((a)のwho)を下位範疇化する英語の 動詞((a)のclaim)は、VP補部のために下位範疇化する新しい語 彙登録((b)のVPINHER/SLASH {[1]})を生むことが説明される (Pollard and Sag 1994)。 (a) Who1 did Hans claim _1 left?
    ここで、Yは、synsem上に並んだ変項である。それ故、(c)の Yは、S[unmarked]が主語でないことを保証してくれる(Pollard and Sag 1994)

    花村(2022)「イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より

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    7頁
    *Dowy et al (1981). S. 279。但し、Montague(1974)は、次のようなパズルを解くために個体概念の必要性を説いた。
    a) The temperature is ninety.
    b) The temperature rises.
    c) Ninety rises.
     a)からc)への推論は、temperatureにある時点での個体定項の外延を当てただけでは不十分ゆえに成立しない。従って、Montagueは、riseのタイプを<e, t>ではなく、内包的な<<s, e>, t>とした(ibid. S. 267)。しかし、これにより設定されたriseのような内包動詞とは別種の自動詞の外延性を規定する意味公準[∃M∀x□[δ(x)→M{v x}]](MはILの個体の属性タイプの変項、xはILの<s, e>タイプの変項、δはILの個体概念の集合タイプの定項)が、量化のかかったNP主語のIL個体概念の変項の値を制限するために、普通名詞の外延性に関する意味公準[□[δ(x)→∃ux=∧U]](uはeタイプの変項でxに体操する還元形である)と同じ役割を果たすことになり、規則の上で余剰が生じる。これが、個体概念(s, e)を放棄する一つの理由である。
    *Klein and Sag(1985). S. 168。
    *ibid. S. 171。

    8頁
    *ibid. S. 174。
    *Chomsky(1981). S. 146. 注94。
    *Gazdar et al (1985). S. 236。
    *複合的な語彙の翻訳は、believeのような繰り上げ動詞などを扱うために導入されている。believe‘(<S, <NP, S>>)とfR(believe‘)(<VP, <NP, NP, S>>>は、意味公準∀V∀P1・・・
    Pn□[fR(ζ)(V)(P1)・・・(Pn)→ζ(V(P1)・・・(Pn))]により同意であることが保証されている(ibid. S. 214)。

    花村(2022)「イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より

  • イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ22

    5頁
    *Gazdar et al(1985).S.57。変形との違いについては、メタ規則が規則を操作するのに対し、変形が規則により生成された構造記述にかかるとあり(ibid.S.66)、これにより、GPSGの表示レベルは単層と呼ばれている。
    *SAIメタ規則を応用してドイツ語のja/nein疑問文を分析した例にRussel(1985)がある。(10)4の(12)を通した出力(S[[INV, +],[SUB], +]→V[2]),NP[NOM]とFCR5([INV,+]⊃[[AUX, +],[FIN]])、およびLP規則NP[NOM]<NP[ACC]により、次のような気が認可される(ibid.S.25).
    *Gazdar et al (1985). S.79。

    6頁
    *ibid. S.83。
    *ibid. S.94。
    *ibid. S.183。
    *ibid. S.187。

    花村(2022)「イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より

  • イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ21

    2頁
    *Gazdar, Klein, Pullum and Sag(1985). S. 17。
    *ibid. S. 43。
    *ibid. S. 57。
    *ibid. S. 75。
    *ibid. S. 245。

    3頁
    *ibid. S. 16。
    *GPSGには、文脈に依存した語彙装入規則がなく、前終端(preterminal)のカテゴリーAの規則を共有する語彙項目がAの下位カテゴリー化環境に従う。
    a)VP→V[SUBCAT, 2](V[2]と略記される)。
    b)<lesen, [N, -],[V, +],[BAR, 0],[SUBCAT,2 ], { }, lesen‘>
     a)は、語彙項目b)を支配している。語彙項目は、音韻、カテゴリー、不規則な形態(ここでは空)、意味に関する情報を含んでいる(ibid. S. 34)。
    *ibid. S. 26。
    *ibid. S. 27。
    *ibid. S. 29。

    4頁
    *Stucky(1983). S. 80。
    *Gazdar et al(1985). S.44. GPSGのLP既読に対して、Uszkoreit(1986)がドイツ語の語順を検討し、修正案を出している。ドイツ語は、固定されたクラス(z.B. Det<N, [MC, +]<X, X<[MC, -](MCはMain Clause、Xはカテゴリー全体の集合上の変項)と自由なクラス(定動詞の項)からなる部分的に自由な語順を持つ言語である。 
    a) Dann wird der Doktor dem Patienten die Pille geben.
    b) Dann wird der Doktor die Pille dem Patienten geben.
     a)、b)双方を認可するために、平叙文の定動詞が取るNP分布に関し、非統語的要素も含めた相互作用のある5つの基準を設定している。例、1 AGENT<THEMA、2 AGENT<GOUL、3 GOUL<THEMA、4 [FOCUS―]<[FOCUS+]、[PPRN+]<[PPRN―]。相互作用とは、5つの規則のうち何かが侵されていても他の規則が満たされていれば、認可されるという意味である。a)は4に関して、b)は3に関して規則違反だが、それぞれ3、4がこれを補っている。(ibid.S.895)

    花村(2022)「イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より