「山椒大夫」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
表1
厨子王が山で芝刈りをする場面
A そこでまた落ち葉の上にすわって、山でさえこんなに寒い、浜辺に行った姉さまは、さぞ潮風が寒かろうと、ひとり涙をこぼしていた。情動1、行動1
B 日がよほど昇ってから、柴を背負って麓へ降りる、ほかの樵が通りかかって、「お前も大夫のところの奴か、柴は日に何荷苅るのか」と問うた。情動1、行動1
C 「日に三荷苅るはずの柴を、まだ少しも苅りませぬ」と厨子王は正直に言った。情動1、行動1
D 「日に三荷の柴ならば、午までに二荷苅るがいい。柴はこうして苅るものじゃ。」樵は我が荷をおろして置いて、すぐに一荷苅ってくれた。情動1、行動2
E 厨子王は気を取り直して、ようよう午までに一荷苅り、午からまた一荷苅った。情動2、行動1
A 言語の認知(情動) 1誘発、2創発 → 4、1
B 人工知能 1行動、2リスク回避 → 4、1
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(4 + 1)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(4 + 1)÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ-平均値
Aの偏差:(4 – 2.5)、(1 – 2.5)= 1.5、-1.5
Bの偏差:(4 – 2.5)、(1 – 2.5)= 1.5、-1.5
◆A、Bをそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 2.25、2.25
Bの偏差2乗 = 2.25、2.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 2.25、2.25
◆AとBの偏差を2乗したものの合計を計算する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
◆(Aの偏差)x(Bの偏差)の合計を計算する。2.25 + 2.25 = 4.5
花村嘉英(2019)「社会学の観点からマクロの文学を考察するー危機管理者としての作家について」より