ID規則は、語彙的と非語彙的に分かれる。前者には、H[n](nは整数)という語彙的主要部が導入され、SUBCATとBARの素性があるが、後者に下位カテゴリー化はない。
(10)
1 S→X2, H[SUBJ, -]
2 NP→Det, N1
3 N1→H[1]
4 VP→H[2], NP[ACC]
(10)の規則は、LP規則(Det<N, V[MC, +]<NP)およびFSD3[INV、-]を伴い(11)の木を認可する。
(11) S
△
NP[NOM] VP
△ △
Det N1 V[2] NP[ACC]
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法からGPSGへ-イディオムの構成性をめぐるモデル理論の修正」より