6 今後について
購読脳の出力「無と創造」と執筆脳のゴール「創造と目的達成型の認知発達」を調節するために、存在の論理の中でバルカン文を置いた。ロジックが想定できると、文理のバランスを取ることができ、全体をまとめる上で役に立つ。さらに文理双方の脳の活動を合わせてシナジーのメタファーとするために、セカンドのカラムとして顔の表情を設け、データベースの分析を濃くする方法について考えた。顔の表情にも無と創造があるためである。
今後についても一言述べる。他の作家のデータベースと地球規模に集団の脳の活動として相互依存関係を作り、作家としての人間の条件に危機管理ないしリスク回避を設けて、社会学に基づいた考察を試みた。花村(2018)の中で取り上げた作家(トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖)が試みるリスク回避の研究をさらに展開させるためである。作家同士の依存関係は、クラウドからの束ねるリボンとして医療、観察、数理、文化、家族、教育、福祉、比較などの社会学が管理する。また、国地域に関しては、言語や文化による分け隔てはなく、地球上のどこもが研究の対象となるため、シナジーのメタファーは、すべての言語に適応可能な研究方法といえる。
【参考文献】
遠藤弘 1974 『存在の論理』 早稲田大学出版部
大宮信光 2010 『ロボットのしくみ』 日本文芸社
川端康成 1979 『雪国』 講談社文庫
花村嘉英 2005 『計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?』 新風舎
花村嘉英 2015 『从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む』 華東理工大学出版社
花村嘉英 2017 『日语教育计划书-面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで』 南京東南大学出版社
花村嘉英 2018 「シナジーのメタファーの作り方-トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖」 中国日语教学研究会上海分会論文集
原文雄・小林宏 2004 『顔という知能-顔ロボットによる人工感情の創発』 共立出版