PTQのように、統語カテゴリーに意味タイプを割り当ててから翻訳規則が設定されることはない。まず、カテゴリーCの語彙項目(α)の翻訳が(16)の部分木により認可される。*
(16) C,α‘
↓
α
次に、Cラベルの接点の娘の翻訳を結ぶ際に、(16)のタイプ駆動の方式が採用されている。*
(17)α∈ME(a, b), β∈ME a, →α(β)∈MEb
(17)は、α、βがそれぞれ意味タイプ<a, b>、<a>を持つILの有意表現ならば、α(β)は、<b>タイプの有意表現となることを示している。例えば、(15)のS、NP、VPタイプのILへの翻訳は、(18)となる。
(18)1 FR:(S, {NP‘, VP‘}m)={ VP‘(NP)}
2 FR:(NP, {Det‘, N‘}m)={ Det‘(N)}
3 FR:(VP, {V[2]‘, NP‘}m)={ V[2]‘(NP)}
関数実現(Functional Realization: FR)は、タイプaとマルチセットS(有限回繰り返される同一要素を含む集合)を入力都市、関数適用の際、要素の複数買いの使用を禁止する制限およびタイプaのILの適切な表現を条件とする集合が出力となる。* こうして(10)のID規則、それに対するLP規則、素性に関する諸条件、(15)のタイプ割り当ておよびタイプ駆動の翻訳を経て、(11‘‘)の木が認可される。
(11‘‘) S, lesen‘(ein‘(Buch‘))(ein‘(Mann‘))
△
NP, ein‘(Mann‘) VP, lesen‘ (ein‘(Buch‘))
△ △
Det, ein‘ N1, Mann‘ V [2], lesen‘ NP, ein‘(Buch‘)
| △
Ein N[1], Mann‘ liest Det, ein‘ N1, Buch‘
ein |
N[1],Buch‘, Buch
花村嘉英(2022)「イディオム-MGからGPSGそしてHPSGへ」より