【データベースの作成】
表1 「山月記」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
・文法1 名詞の格 鴎外の助詞の使い方を考える。
・文法2 ヴォイス 能動、受動、使役。
・文法3 テンス、アスペクト 現在、過去、未来、進行形、完了形。
・文法4 モダリティ 様相の表現。可能、推量、義務、必然。
・意味1 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
・意味2 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
・意味3 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
・意味4 思考の流れ 課題や問題が与えられたとき生じる、一連の精神活動で、周囲の状況に応じた現実的な判断や結論。ある、なし。
・医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。構文や意味の解析から得た組「自尊心と自己愛性パーソナリティ障害」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
・記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
・情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
・情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報については カテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
・情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
・人工知能 人格障害1 エキスパートシステム 極端な性格が周囲の人を困らせたり、本人が苦しんでいる 場合で、性格の特徴を問題視する人格(先天的な気質+後天的な性格)障害。反応が範囲内、逸脱。
・人工知能 人格障害2 エキスパートシステム 治療としては、話し合い、生活環境の調整。ある、なし。
花村嘉英(2019)「中島敦の『山月記』の購読脳について」より