魯迅とカオス(阿Q正伝)19


脳のモデル

 脳の活動については動的な記憶を取り上げる。例えば、長期記憶は、頭で覚える陳述記憶と体で覚える非陳述記憶に分けられ、陳述記憶はエピソード記憶と意味記憶に分けられる。エピソード記憶は、未来も含めた個人の経験にまつわる出来事と関連し(例、(8)、(9)、(10)、(12)、(13))、意味記憶は一般的な知識(例、(24))と関連する。また、非陳述記憶のうち手続き記憶は、自転車の運転とかタイピングと関連する。動的な記憶の公式として、エピソード記憶とカオスのリンクは有名である。
 花村(2015)によると、記憶の分類には、長期記憶にプライミング記憶を加えるものがある。プライミング記憶は、先行情報が後から与えられた情報に影響を及ぼす効果を持っている。しかし、無意識によりパターン化されるため、勘違いの原因になることもある(例、(6))。エピソード記憶と短期記憶は、個人の意識が存在するレベルの記憶であり、意味記憶やプライミング記憶及び手続き記憶は、個人の意識が介在しない潜在記憶である。但し、エピソード記憶と意味記憶は、経験と時間によってどちらにも変わる可能性がある。

[記憶の樹形図]
記憶→短期記憶→ワーキングメモリー
記憶→長期記憶→陳述記憶→エピソード記憶 OR →意味記憶
記憶→長期記憶→非陳述記憶→プライミング記憶 OR →手続き記憶

 記憶は、階層をなしているともいわれる。最下層が手続き記憶、その上にプライミング記憶、続いて意味記憶、短期記憶、エピソード記憶の順になるという。

花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」より

シナジーのメタファー2


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です