シナジーのメタファーの作り方2


2 人文科学からマクロを目指す

2.1 地球規模とフォーマットのシフト

 文系は人文、文化、社会、理系は情報、バイオ、医学とそれぞれ系列が3つずつある。どの系列でもミクロとマクロを想定し、マクロの項目を地球規模とフォーマットのシフトにすると、こぼれる人はおらず、ミクロだけでなくマクロにも通じるようになれば、自ずと研究は発見につながっていく。人文の場合、地球規模は東西南北となり、フォーマットのシフトは、Tの逆さの認知の定規をLに分けることを指す。  
 こう考えるための客観的な証拠は、私の学歴や職歴にある。元々、ドイツ文学や言語学を専攻し、人文と認知科学を研究してきた。また、職歴は、日本語教授法と機械翻訳が中心で、実務や資格を重ねながら翻訳の作業単位を調節している。例えば、ドイツ語と文学、中国語と法律(契約書)、英語と情報、ドイツ語とバイオ(生化学)、英語と医学などである。文系、理系について記事を書くとき、こうした実績を私なりに調整している。
 また、東西南北は、適当に国地域を選択すればよい。私の場合は、日本やドイツそしてアメリカが先行し、そこには東西があり、その後に日本と中国やアパルトヘイトとナチスから南アフリカとドイツという南北が出てくる。これは、私の著作を読めばわかることであり、それが客観的な証拠となる。さらに、自分が読める言葉を増やしていけば、日本と豪州、北米と南米という組ができ、研究の対象がオリンピックに近づいて行く。
 フォーマットをシフトするには、Tの逆さの定規を崩して縦横に言語と情報の認知を置き、Lのフォーマットを作成する必要がある。その際、スムーズに信号が横をスライドするように、翻訳の作業単位を使って調節していく。これがデータベースを作る際に、テキスト共生の基礎として役に立ち、文学分析にも影響を及ぼす。 
 こうして獲得した知識を基にして、シナジー・共生の組を作っていく。横のスライドがよりスムーズになるように組が増えると、自ずとシナジー論になっていく。バランスを整えるために2個2個のルールを適用する。シナジーの組については、例えば、ソフトウェアとハードウェア、文化と栄養、心理と医学、法律と医学、法律と技術、社会とシステム、社会と福祉、経営工学、文学とデータベースなどが想定される。こうして見ると、地球規模とフォーマットのシフトを調節するには、日頃からのトレーニングが必要不可欠になる。

花村嘉英(2018) 「シナジーのメタファーの作り方について」より

シナジーのメタファー1


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