技術文は、因果関係の連鎖である。そのため、様々な書き方のテクニックを覚えるとよい。
(12)検出領域内の赤外線が増大すると、回路点130の電圧が増大し、逆に、赤外線が低下すると、回路点130の電圧が低下する。
「検出領域内の赤外線が増大すると」を「検出領域における赤外線の増加」として、「A increase of the infrared radiation in the sensing area」と考える。また、「赤外線が低下すると」は「赤外線の低下」として、「A decrease of the infrared radiation」とする。
(13)An increase of the infrared radiation in the sensing area increases the voltage at node 130. A decrease of the infrared radiation will decrease the voltage at node 130.(USP4,618,770)
結果の書き方についてそもそも日本語と英語で発想が異なる場合がある。こうした英語の表現について接続詞を見ながら考えてみよう。
接続詞のtherefore、accordingly、consequentlyはいずれも「従って」という意味である。形式的な表現であるが、特にthereforeは技術文でもよく見かける。接続の近さから言うと、therefore、accordingly、consequentlyの順で強から弱になる。但し、これらの表現は日本語と一対一にはならない。一対一にすると英語は書きすぎの感がある。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より