人文科学から始める技術文の翻訳3


 次に述部の処理が来る。述部が「他動詞+目的語」の場合、目的語を主語にして他動詞を自動詞にする。このクロスの処理が第二のプロセスである。その結果、「~すると、~は~になる」という日本語の技術文の基本構文ができあがる。

表1 技術文の翻訳プロセス(因果)

入力文日本語の技術文の基本構文「~すると、~は~になる」になる。
第一段階両言語の主語を調節する。日本語の節は英語で句とし、逆に英語の句は日本語で節とする。
第2段階述部が「自動詞」の場合、結果を表す英語の他動詞構文にする。 述部が「他動詞+目的語」の場合、日本語の目的語を主語にして他動詞を自動詞にする。

こうした無生物主語構文を作る動詞には以下のものが挙げられる。

表2

因果関係を表すallow, permit, lead to, result in, provide, enable
直接増減を表すincrease, decrease, reduce, shorten, lower
変化を表すproduce, change

以下で、技術文に見られる英日の発想の違いを処理するために、この2段階の方法を試していく。

花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より

日本語教育のためのプログラム


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です