2 フォーマットL
上記の「計算文学入門」を書きながら、小説を読んで思うという分析は、縦に言語、文学の流れとなり、続けて横にイロニーに関する情報の分析があることに気がついた。つまり、文型と理系の間にTの逆さで認知科学を想定して、人文科学と縦に二本の柱を作るファーマットを崩して、縦に言語、文学を分析する認知と横に情報を分析する認知と区別することにより、研究のフォーマットをLにシフトした。
研究のフォーマットのシフトは、また、文学をマクロに考察する場合に役に立つ。一般的に地球規模の研究、文学では、東西南北の国地域の比較を言葉を変えながら作品を分析することがマクロの評価項目の一つである。そこに、伝統的な人文、文化、社会の比較とかシステムとメディカルの比較のみならず、フォーマットLも考慮に入れる。
フォーマットLを評価項目に加えることにより、通常、ボトムアップだけで実績を作るところに、トップダウンで主の専門以外の系列が零点にならないような調整が必要になってくる。また、技術文の翻訳作業による理系のアイデアの調節も生きてくる。小説に関するLのストーリーを使用してDBを作成する場合、エクセルデータの横のラインがリレーショナルになるように、文系と理系のカラムを設けるためである。理系のカラムを設定するには、何れかの理系の実績が必要になるためである。
花村嘉英(2017)「Thomas Mann「魔の山」のデータベース化とその分析」より