2 データベースの作成と分析
データベースの作成については、巻末の付録を参照すること。ここでは、分析例として、クイーニーとアランの結婚式でマックスがスピーチする場面を取り上げる。エクセルのデータについては、列の前半が構文や意味の解析データ、後半が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。(花村2017)
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。ここでは「空間と時間」がその例になる。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。特に、問題解決の場面で、作家の脳の活動は強くなる。
ゴーディマの人工知能は、一つが社会との適応能力に関するエキスパートシステムであり、また一つがリスク回避のための行動に関するエキスパートシステムである。
(2)データベースの各場面の信号の流れ
「文法1(助詞)」→「文法2(時制、相)」→「文法3(態)」→「文法4(様相)」→「意味1(喜怒哀楽)」→「意味2(五感)」→「意味3(振舞い)」→「意味4(無)」→「意味5(創造)」→「意味6(数字)」(言語の認知の出力は「無と創造」、これが情報の認知の入力となる)→「医学情報」→「情報の認知1(情報の捉え方)」→「セカンド 顔の表情」→「情報の認知2(記憶と学習)」→「情報の認知3(問題解決)」→「人工感情(1愛情2人格)」→「認知発達(1目的達成2非ず)」(情報の認知の出力)
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-ナディン・ゴーディマ」より