五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える4


【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ

A 「ぜんぶ私の責任です。申し訳ありません」良介の説明に母親は納得していない様子だったが、それでも、ただひたすら頭を下げている良介をみていると、考えることがあるらしく、それ以上、麻子を追求することはあきらめたようだった。文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

B その日からまた麻子は、昔のように口数すくない、やや陰気な娘にもどった。八月が過ぎ、九月も下中にさしかかった頃、麻子は思いがけない体の変調に気づいた。これまでそんなに大幅に狂ったことのない生理がやってこなかったのだ。文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1

C 麻子は、いろいろ悩んだ末に、結局、敦賀のちかくの海ぞいの小学校に努めている大野良介の勤務先をたずねた。突然あらわれた麻子を見て、良介は意外そうな顔をした。しかし何も言わずに、人気のない静かな海岸に麻子をつれていくと、無言でうながすように彼女をみた。
文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

D 「また、お願いがあるんです」と、麻子は言った。良介は黙っていた。「産婦人科のお医者さんに見ていただきたいんです。どこか病院へ連れていっていただけませんか」。
文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

E それだけで良介は何もかも理解したようだった。彼はしばらくぼんやりと秋の日の照り返える青黒い海をながめていたが、やがてうなずいて、わかりました、と言った。
文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より


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