2.2 ビジネスメール
2018年、大連で3年生のビジネス日本語のクラスを担当した。教材の内容は、ビジネスの中で使用する電子メールについてであり、例題も多く、学生が自分でビジネスメールを書く練習ができる。そのため、担当者が面倒くさがらずに添削してあげれば、楽しくビジネス日本語の勉強をすることができる。
教材は、基礎編、実践編、応用編の三つからなっている。基礎編は、ビジネスメールの構成要素についての説明であり、実践編は、電子メールの件例が内容別に17項目紹介されている。そして、応用編は、学生が自分で課題の電子メールに取り組めるように工夫されている。
例えば、類型1では、カタログの送付や納期の延期、そして資料の送付の催促について、具体的なビジネスメールの例題、内容の要点の説明、例題と関連する表現、決まり文句の練習、ビジネス用語が見開き二ページに説明してある。
参加者に課しているトレーニングは、ビジネス表現の例題の暗記、用語の小テスト、応用編の課題メール作 成、そしてそれぞれの類型の例題に対する返信である。最後の返信につては、例題の内容を踏まえた上で、敬語や婉曲表現そして準備のことば(铺垫语)を入れながら返信文を書いていく。これは、教材にある課題ではないため、教案として平時で回すには、早め早めにクラスの進捗を管理する必要がある。
【課題4】 以下の電子メールに返信文を書け。
受信メール
いつもお世話になります。
返信メール
ご連絡ありがとうございます。
支払い方法は、弊社法人取引銀行の○○銀行を通じて、期日までに貴社の振込先ご指定口座へ送金する予定です。今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。送金後、改めてこちらからご連絡いたします。
注意
支払い完了後の確認メールは、経理ではなく営業がすることになっている。できれば、自社の経理に確認して、支払日を先方に知らせておくとよい。
花村嘉英(2018)「ビジネス日本語の攻略法」より