但し、ここでいうすべてとは、ある可能世界から見える世界すべてというような相対的な意味であり、ある所与の可能世界と代替となるような世界も存在していると考える。即ち、可能世界に対して部分的な記述という枠組みを採用する。* この立場に立てば、可能世界間には、到達可能関係と呼べる(3)のような二項関係が存在することになる。
(3)
a反射性(R(w, w))
b推移性(R(w, w’)R(w’, w’ ’)→R(w, w’ ’))
c対称性(R(w, w’) →R(w’, w))
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法の意味公準について考える-階層的な様相表現を中心にして」より