中国から日本に伝わったことばや文化について9


【豆腐】
 豆腐の発祥の地も中国である。日本へは奈良時代に遣唐使が伝えたとされている。初めは貴族や僧侶が口にしていました。その後、庶民にも次第に親しまれるようになってきた。本格的に庶民の味となったのは、江戸時代の中期といわれている。1782年に刊行された「豆腐百珍」は、人気をはくし、豆腐が全国に普及した。豆腐は、栄養価の高い食品で、ダイエットにも効果があり、健康にもとてもよい。
 大豆にはアセチルコリンという神経伝達物質が多く含まれ、興奮を抑え、血圧の上昇を抑える働きがある。アセチルコリンは、さらに、集中力、記憶力、洞察力、判断力を高めてくれる。豆腐や味噌などの大豆食品を昔から摂っていたため、日本人のⅠQ(知能指数)は世界のトップクラスにある。
 精進料理は中国で成立した。飛鳥時代の652年に天武天皇(631-686)が僧侶の肉食を禁止したため、僧侶の食事内容は菜食に制限された。奈良・平安時代に天台宗(最澄 比叡山)、真言宗(空海 高野山)が開かれ、僧侶の食事が寺行事を通して庶民に伝わるようになった。平安時代に書かれた清少納言の「枕草子」にも「そうじものいとあしき(精進料理はまずい)」と書かれている。精進料理は、鎌倉時代(1185-1333)に禅宗が起こってから本格的に発達した。
 
花村嘉英(2018)「中国から日本に伝わったことばや文化について」より

シナジーのメタファー2


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です