中国から日本に伝わったことばや文化について3


【漢字が展開する】
 時代が下るにつれて、漢字は庶民の間でも用いられるようになった。しかし、江戸時代になっても、漢語は依然として抵抗感のあることばであった。明治以降に教育が進んで、ようやく漢語が一般人にも受け入れられるようになる。現代では、中国語は簡体字を使用し、日本語は当用漢字を使用している。

【紙】
 紙は、紀元前100年頃(前漢の武帝の時代)中国で発明された。日本に製紙が伝わったのは、推古天皇(554-628)の時代で、聖徳太子(厩戸皇子)は、コウゾ、ミツマタといった日本独自の和紙の原料を使った紙の製法を研究し、国営の製紙事業を始めた。それまでは竹の皮や絹の布に文字を書いていたため、紙の出現は、文化の普及に大変役に立った。日本では古くから紙は貴重なもので、天平時代(奈良から平安初期)に隆盛した写経のおかげで、紙は地方にも伝わった。

花村嘉英(2018)「中国から日本に伝わったことばや文化について」より

シナジーのメタファー2


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