人文科学から始める技術文の翻訳11


2 ドイツ語の技術文

 英語の技術文に準ずる形で説明していく。

【例文】
(1)Wir stellen sicher, daß für Lieferungen und Dienste keine unangemessene Zahlungen oder anderweitige Vorteile zu persönlicher Verwendung oder zur Begünstigung Dritter verlangt oder angeboten, gewährt oder angenommen, versucht, unterstützt oder verschwiegen werden, insbesondere nicht, um einen Beschaffungsvertrag abzuschliessen oder aufrecht zu erhalten.(Uster グループ行動基準より)

①用語
 ここでは、Lieferungen(納入)、Dienste(サービス)、Vorteile(利益)、Begünstigung Dritter(第三者の優遇措置)、Beschaffungsvertrag(調達の契約)

②構文
この文は、Wir stellen sicherが主文で、daß以下が従属文ある。

③考察 表4
2段階の処理法  例えば、主文の「Wir stellen sicher」は、従属文を「確定する」とし、zu不定詞句は、従属文の補足説明と考える。
態の用法  従属文の述部に「verlangt oder angeboten, gewährt oder angenommen, versucht, unterstützt oder verschwiegen werden」が使われている。他動詞の過去分詞とwerdenとの組み合せは、従属文の主語が複数形の受動態であることを示している。
否定構文  insbesondere nichtは、それに続くzu不定詞句を否定している。
時制  現在形

【和訳】
(2)納入やサービスのために、不適切な支払いまたはその他の利益が個人の使用または第三者の優遇措置のために要求されずまたは提供されず、保証または想定もされず、試みも支援も口外もされないことを確定する。これは、特別、調達の契約を締結したり保持するためではない。

花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より

日本語教育のためのプログラム


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です