HPSGから見たことばの呼応とその運用について-英語、ドイツ語、日本語、中国語を中心に15


6 まとめ

 英独日に共通する言語の特徴として呼応の表現を取り上げ、それぞれの違いについて考察した。例えば、英語に見られる呼応の表現、同一指示や指標、主語と動詞、限定詞と名詞などの呼応は、ドイツ語や日本語ではどのように扱うことができるのか。また、ドイツ語の形容詞と名詞に見られる格の呼応が日本語にもあるのかどうか。そして、運用論の視点からも呼応を考えるために、日本語の敬語についてもひとこと述べた。最後に、中国語に特有の照応束縛がこれらの言語とは異なる点もことばの比較として補足した。

【参考文献】
花村嘉英 計算文学入門‐Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品‐魯迅をシナジーで読む 華東理工大学 2015
花村嘉英 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
安井稔 新言語学辞典 研究社 1982
Pollard, Carl/Sag, A.Ivan Head Driven Phrase Structure Grammar The University of Chicago Press 1994

花村嘉英(2018)「ことばの呼応とその運用を比較する-英語、ドイツ語、日本語、中国語を中心に」より 

日本語教育のためのプログラム


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