人文科学から始める技術文の翻訳20


 次の文は、モントリオール万博の映写技術に関する明細書の一部分である。

(11)Die verschiedenen oben beschriebenen Gestaltung bestreffen ein Ausführungs-
beispiel der Erfindung. In einer alternativen Ausführung können die Projektionsflächen reflektiert sein and von im Zuschauerraum installierten Projektoren beleuchtet werden. Statt der beschriebenen einen Bühne für Live-Darstellungen können deren zwei oder mehere, ebenso können zwei oder mehere Plateaus für Musiker vorhanden sein. Ferner können für die Zuschauer einfache Sitze oder auch nur Stehplätze vorgesehen sein. Auch das Gebäude kann in herkömmlicher Weise fest gebaut sein.(ドイツ特許庁公開特許公報10021981A1)

①用語の説明
Projektionsflächen(投影面)、Zuschauerraum(観客席)、Live-Darstellungen(ライブショー)、Plateaus(舞台)、einfache Sitze(簡易シート)、Stehplätze(立見席)。

②構文の説明
特許文にしては、一文が短いために比較的つかみやすい。但し、ドイツ語で発達しているテーマ・レーマが崩れないように注意すること。

③英語に準ずる考察 表13
2段階の処理法 崩さずに素直に訳出した。
態の用法 二番目の文の述部は「reflektiert sein」「beleuchtet werden」と状態受動と受動態であるが、いずれも日本語は能動態で訳出した。
否定構文 意味上の否定。auch nur Stehplätzeは「その他はなくて、立見席だけでも」と立見席を強調している。
時制 現在形

全体の訳は次のようになる。

【和訳】
(12)上述された様々な形態は、本発明の実施例に該当する。その他の例では投影面が反射して、観客席に設置されたプロジェクターでも照らすことができる。ライブショー用に説明された一舞台の代わりに、ニ舞台以上が設置でき、ミュージシャン用にも二舞台以上の設置ができる。さらに観客用に簡易シートまたは立見席だけでも装備することができる。建物も従来の方法でしっかりと建てられる。

花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より

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