例えば、「土地が広ければ、不動産価格が高い」という関係があるとき、土地の広さと平均坪数との差が大きいほど、不動産価格と平均価格との差も大きいと考えられる。すると、(土地の広さ-平均坪数)と(不動産価格-平均価格)の積も平均的に大きくなる。つまり、すべての土地について計算した(土地の広さ-平均坪数)x(不動産価格-平均価格)を合計し、その合計を不動産の数で割って求めた平均は、土地の広さと不動産価格の間にある関係の強さを表すと考える。この平均が土地の広さと不動産価格の共分散である。
そして、共分散を土地の広さの標準偏差と不動産価格の標準偏差の積で割ると、土地の広さと不動産価格の相関係数になる。
(2) 相関係数
相関係数=土地の広さと不動産価格の共分散/土地の広さの標準偏差x価格の標準偏差
ここで、標準偏差は、各データ-平均値からなる偏差の二乗の合計の平方根である。また、各データ-平均値からなる偏差の二乗の合計は、偏差平方和となり、分散と呼ばれる。
(3) 相関係数の一般公式
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「山椒大夫」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2019)「社会学の観点からマクロの文学を考察する-危機管理者としての作家について」より