Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察19


3 モンタギュー文法からの考察

3.1 主格補足語に基づいた動詞の分類(Löbner 1976)

 Löbner(1976)は、モンタギュー文法のドイツ語への適応のみならず、動詞の範疇(V、TrVn、TrVsatz、TrVv)に属する基本表現と補足語の関係をモンタギュー流の内包、外延という概念を用いて分類している。しかし、ここでは、そのうち主格補足語に関するものをみることにする。本稿のテーマがそこにあるからである。その他の分類に関して簡単に触れるならば、例えば、TrVnに属する基本表現と目的語に見られる外延や内包に基づいたものがある。
 主語外延動詞と主語内包動詞に関するLöbner(1976)の説明は、次の通りである。主語外延の動詞群は、状態及び瞬時の行為を表し、主語に対して時間的な広がりを要請することなく、ある個体概念に該当する場合、抽出されたその個体概念と等しい外延を持つものにも当てはまらなければならない。
 ILの表記を用いれば、∀x∀y(x∈v ⋀ ex(x)= ex(y)→ y ∈v)あるいは∀y(∃x(x∈v ⋀ ex(x)= ex(y)) y∈v)となる。そして、主語外延動詞とは、基本表現のうち次のものである。

V frieren、husuten、lächeln、pfeifen、seufzen
TrVn begrüßen、finden、sehen、verfluchen
TrVsatz sagen、vertreten、schwören、versprechen、behaupten
TrVv beginnen、wagen

花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

シナジーのメタファー1


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