Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察17


2.3 様相の意味論

 様相の意味論は、これまで主に話法の助動詞から研究がなされてきた。そのうちの一つにReinwein(1977)がある。ラインヴァインは、伝統的な話法の助動詞のそれぞれの読み(Primitivprädikat)を統語レベルでの分類(認識的epistemisch)、主語内的(intrasubjektiv)、主語外的(extrasubjektiv)と掛け合わせている。

話法の助動詞

können 認識的(可能)、主語内的(能力)、主語外的(許可)
müssen 認識的(必然)、主語外的(要求)
dürfen 認識的(可能)、主語外的(許可)
sollen 認識的(主張)、主語外的(意志)
mögen 主語内的(意志)
wollen 主語内的(意志)

 ここでいう認識的、主語内的、主語外的な統語構造とは、それぞれ、自動詞や他動詞のうち二価と三価のものに相応している。しかし、この表に示された話法の助動詞の読みが、2.1で列挙した動詞の意味合いとどれほど合致するのか調べてみると、pflegen、anfangen、anheben、beginnen、aufhörenには適合しない。

花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

シナジーのメタファー1


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