Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察4


1.2 内包論理(IL)

 モンタギューのILの基本的な特性は、高階の対象を扱うためにタイプ理論を導入し、これを様相論理と掛け合わせたものといえる。様相論理は、命題論理や述語論理に比べて、自然言語の表現に対する適用範囲が多少広げられた論理系で、必然性、可能性という話法の導入が見られる。

1.2.1 タイプと基本表現
 
 範疇とタイプの対応は、次のように規定される関数fによる。

1 f(e)=e
2 f(t)=t
3 f(e)t)=s]e]]t

 1は、e範疇がeタイプ(個体)に、2は、t範疇がtタイプ(真理値)に適応し、3は、「s(指標、可能世界wと時点zの対)からeへの関数の集合」から真理値への関数を表す。ILの基本表現とは、これらのタイプを含む定項と変項から構成されている。それぞれVar n,τ、Con n,τと記号化され、ILのτタイプのn番目の変項、定項を表している。

花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性-モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より

シナジーのメタファー1


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